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「機械要素技術展」と併設で開催されたていた「第1回次世代3Dプリンタ展」の見学に2019年2月7日に東京ビックサイトに行ったので、以下にその状況を報告します。
目的は、これまでプラスチックの3Dプリンタ装置を導入して、その可能性の研究開発を試みたこともあったが、プラスチック材料の選択に制限があり、3Dプリンタの限界を感じていたが、その後の開発状況の確認のために見学をした。
また、金属3Dプリンタは金型の3D冷却回路に使われ、米国GE社が金属3Dプリンタを大量に導入して、飛行機用途の部品製造に採用していることなど、いろいろなニュースに取り上げられたこともあり、それらの状況確認も目的であった。
見学した日は、開催日2日目の午前中の開始時間から入ったが、最初は客足がまばらで、各ブースでゆっくりと話を聞きながら移動できたが、昼頃は、人が多く 思うようにブースで話を伺える状況では無くなっていた。
「第1回次世代3Dプリンタ展」は、「日本ものづくりワールド」として開催され、開催期間は2019年2月6日(水)〜8日(金)に東京ビックサイトで開催された。
「次世代3Dプリンタ展」の出展は約50社くらいであったと思う。また、金属とプラスチックの3Dプリンタの出展社の比率は同じくらいで、金属3Dプリンタの展示は活況であった。
GEアディティブ社の展示とパンフレットより
GE社は金属3Dプリンタ造形技術の可能性にいち早く目をつけ、戦略的に社内製品の製造に取り入れてきた。GE社では「アディティブ技術」と呼び、最初に製造されたのはジェットエンジンパーツのであった。
20個の部品を一体化し、5倍の耐久性と25%の軽量化を実現した燃料ノズルチップであった。(中略)
GEアディティブ社のパンフレットより
GE社は、金属アディティブ技術と金属粉体の販売、コンサルティングサービス「AddWorks」を提供している。今後アディティブ製造技術の導入と普及を加速する計画であるとのことであった。
金属粉体の材料は、アルミニウム、チタン、鋼鉄、ニッケル、磁気材料、など良く使われる材料を網羅している。
金属アディティブ装置は、レーザービーム方式と電子ビーム方式があり、電子ビーム方式は高融点に対応し、高速、効率的な製造が可能である。残留応力が非常に少なく、熱処理が不要となり、鍛造に匹敵する安定した造形が可能である。
レーザービーム方式は、正確で複雑な形状を造形する。
昨年からは金属3Dプリント加工を外販し始めたことをアピールしていた。2010年頃はレーダーのパワーが弱かったので、こぶし大の大きさで2〜3日かかっていたが、現在の機械では4〜5時間で加工ができるそうである
セラミック用高精細光造形装置:SK FINE社より
セラミック粉体と光硬化性樹脂を攪拌して、3D造形用のスラリー材料にして、光硬化性樹脂を硬化させる。造形終了後、未硬化部分を洗浄・除去して造形物が完成する。その後、焼結炉にて脱脂・焼結でセラミック3D造形が完成する。
セラミック3Dプリンタの販売数はまだ伸びていないが、試作依頼は多く、対応に苦慮しているとのこと。
セラミック材料ではこれまで高精細な造形物する方法が無かったので、新しい加工方法とセラミック材料の新しい設計が可能となり、これまでは考えられなかったセラミック製品が可能となることに期待したい。
SK FINE社のパンフレットより
その他の金属3Dプリント加工は、射出成形の3D冷却回路などの展示などあった。
プラスチックの3Dプリンタは、これまでから大きな進歩は感じられなかったが、UV硬化方式の精度向上と新しい材料での開発は進められているようであった。
Panasonic社のパンフレットより
最後に、大塚化学が3Dプリンタ用途の樹脂材料への添加剤として「ポチコン材」の紹介をしていた。ポチコンの特性を生かして、微細部分の補強、摺動性の改善などが図られるなど、おもしろい添加剤である。
大塚化学の資料より
以上
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